ラブライブ!サンシャイン!! The School idol movie Over The Rainbowの感想

ギリ平成のうちに大筋は書けたのであげておきます。たぶん修正・追記します。

楽曲中心に。

 

僕らの走ってきた道は

曲の最初は楽器の数が少なく、後半フィナーレへ向かうにつれてどんどん増えて壮大になっていくその様がまさしくこの物語そのものではありませんか!映画の開幕を飾るにふさわしい曲だと思いました。歌詞もそれに合わせて今までの話とこれからの話を合わせたものになっていてラブライブ!サンシャイン!!のある種総括のよう。

映像として、沼津の地を余すところなく映していてとても良かった。今まで劇中に出てきたことのある場所ならそこまででもないのですが、このコンテンツに対して”地元だから”と応援してきた方々とその場所がこういう形で登場している。いい映像だと思います。”今”の沼津を記録として残そうとしているのかなと思っていたらそうだったみたいですね。

(http://gs.dengeki.com/news/126092/)

そうです!の全肯定感とキャッチーさが好き。

2番からようやく3年生が参加するのと丁度そのあたりからドラム(?)の音が強くなる辺りも好き。DETAMINATIONが思い起こされません?なんかこう、3年生というとドラムってイメージが勝手に自分の中であります。

ラスサビの全員でジャンプして、の部分はリスペクトですよね。たぶん。音と合わせて非常に小気味いい。

幕が上がる演出が最高。2期の最後で降ろした幕を上げないとそりゃ物語は進めない。2期のOPのときも似たような事を言っていたのですが、あのタイトルロゴが一面にばっと出てくるのが好きです。

現実の話ではラブライブ全体としてオリコン1位取った初めての曲(CD)がこの曲なの全部を示していていいです。

 

逃走迷走メビウスループ

まさかの3年生曲。前売券のCDで学年曲があったので来ないだろうと思っていたら来た。不意打ち。この世界では3年生が逃げる定めなのでしょうか?前作の?←HEARTBEATもこっちも好き。衣装がドレス、素敵。G線上のシンデレラっぽい衣装とも。ライブでやるのであればぜひともあのままお願いしたい。それぞれのイメージカラー+黒白って良い。

先輩という立場でないときの3人はこんな感じなのかな?と思わせてくれる曲。G線上のシンデレラは大人っぽい・美しいイメージ。予測不可能Driving!はややシリアスよりなイメージだったので陽気さに振った曲が来てくれて嬉しい限り。

“Oh yeah” のとこのダイヤ、めっちゃいい。(両手をくっつけてアップになるところ)Bye-Byeで3人が一瞬出て来てすぐ消えるあの感じも好き。

終盤、”逃走迷走メビウスループ”辺りからの歌唱力すごい。音程まだ上がるの?って感じでした。直後のyeah~~!が可愛い。今までの3年のイメージではないのでよい。

 

Hop? Stop? Nonstop!

映画公開前からちょっと出てた曲ですね。

“できなかったことができたり~~”

初見では何が起こったかわからなかった。まさかラップパートがあるとは思っていなかったし、その割り振りがダイヤなんて聞いてない。2期4話で担当の回、もとい彼女の今まで出ていなかった面が強めに出されていたので、これ以上はないだろうと思っていたのですが、追加されて驚いていました。なんであれ(本人が言っていたように)黒澤ダイヤはどこまで行っても黒澤ダイヤなので、新しい一面を見ることができてありがとうございますとしか言えませんね。贅沢。

ここのところシリアスな曲が多かったAqoursの久しぶりな明るい雰囲気に寄った曲ですね。めっちゃ元気。Aqoursのエネルギーというか快活さが前面に押し出されている気がします。衣装は特にはなく、私服でしたがそれもまたイタリアという地に合っている印象でした。”スキは無敵”の歌詞がその通り過ぎて好きです。幕張でやっていた音響調整したやつだとずんずんいってる低音がすごかったです。

鞠莉のソロパート無敵か?って感じですね。歌詞と歌唱が合わさって最強。

曲終わりの鞠莉の手のひらに降りてくるツツジ花言葉が”青春の喜び”なの完成されすぎ感があります。

 

Believe again

Saint Snowの曲が用意される辺りはまあ予測が付いていましたが、ここまでのクオリティだとは思っていませんでした。強い。劇中では決勝に進んだらこの曲の予定だった、とのことでしたが、AqoursのWATER BLUE NEW WORLDと同時にやられて選べますか?私は無理です。映像演出も曲もSaint Snowの最後の曲にぴったりだと思います。”強さを求めたら弱さも受け入れてみようよ”の歌詞がよい。我々はAqoursの成長しか見ることができていませんが、Saint Snowは彼女たちなりに成長をして考えを変化させてきたのだなぁというのを一番象徴していると思います。SELF CONTRO!の歌詞と比較していかに考えが変わったのか、という。AqoursがHSNでfly awayと歌っているのに対してSaint Snowがfly highと歌っているのが両者の違いが見れていいなと。2番歌詞がめっちゃ好き。”変化を受け入れよう 夢も進化の時だと” “待ってなんて言わないよ みんなそれぞれの夢があって未来へと向かうだけさ”辺り本当に好き。

歌詞が完全に聖良から理亜へのメッセージになっていて、急に言われてもパフォーマンスできる程度に練習しているのにも関わらず、実際に延長戦という形で行うまで理亜自身はそのメッセージに気付いていないっていうのがオズの魔法使いっぽく感じました。大切なものはもう既に持っているというのに、そのことに気付いていない。

映像的には結構凝っていますよね。小さいウィンドウがよく出てくるので5thでどう表現されるのか楽しみです。Awaken the powerで3Dモデルがあるのはわかっていましたがまさかそのまま2人だけのライブパートが映画に組み込まれるとは…。

曲が終わったあと、理亜のもとに色付きの羽根が舞い降りてくる演出いいです。この映画(というか物語)随所で現実的だと感じるのですが、やっぱりアニメのあれで簡単に立ち直れるわけではない、とした上でちゃんと次へ進めるように成長している理亜が良いですね。ラブライブ!サンシャイン!!という物語の終盤でようやく自分の色を見つけられた彼女はもう大丈夫なのでしょう。

 

Brightest Melody

MIRAI TICKETのぐるっと一周する画面の動きが好きすぎるのでピンポイントでやられました。イントロのあれなんなんですか???青い羽根を中心に一周してしかも小指で約束するといわんばかりの振り付け。

Twitterで飽きるほど言ってたんですが、サビの夜明けで3年生を残して1、2年生が衣装を変えるのもうギミックとして神がかってません?私はそう思います。3年生が今までのAqoursの色ともいえる群青に対して新たなAqoursとも取れる白。3年生がどうしようもなくこの先へは進めないことを示していて、せつないけれどもそれも含めて立ち止まれない、進むべきと高らかに謳うその姿勢。Aqoursの結論を体現した曲ですよね。どうしようもなく切なくって別れの寂しさがあるけれどその疾走感だったり清涼感が素晴らしい。筆舌しがたい(語彙力が足りない)のですが、すごいAqoursらしさがありませんか?

メタ的な話ですが、作曲・編曲が君のこころは輝いてるかい?と同じ方でなのもいいですよね。いい人選です。最初の輝いてるかい?と最後の輝いていたいんだ、の対比が決まってます。自身が既に輝いていると気付くころには終幕なのが本当に切ないですがそれさえも歌詞の通りなので敵わないなと。2番サビの歌詞が全体的に強い。”いっしょにBrightest Melody”とかいう歌詞どういう発想で出してるのか。出会い・別れ→別れ・出会いになってるのも凄い。

ラスサビ3年生だけなんですけどこれ前述の3年生にとってはここが臨界点、って解釈します。ライブだとどうなるんでしょう?6人がそのタイミングで退場だと色々こみ上げるものがあるのですが。

 

ここでキセキヒカルなの本当にずるい。去っていく3年生の背中がもう駄目。

最後に浦の星へ向かってそれぞれのモノローグが入るシーンが本当に厳しい。普通だったら校舎の扉が開いていたら入りそうなところ、そんなことはせずにちゃんと閉めるあたりマジで誠実。あと作画が一番いい気がする。ここで千歌の髪飾りが三つ葉から四葉に変わっているのも細かい演出として強い。

本家のOver The Rainbowの青い鳥が虹を超えられたのだから…をオマージュしたセリフが涙腺に来た。やっぱり青い鳥の先はOver The Rainbowなんだよな…。

曲名が”Everything is here”、完成されすぎでは?

 

 

Next SPARKLING!!

いや衣装。その前に曲前の掛け声。どちらもしんどい。幾度となく言われていることですが、3年生が両翼・2年生が片翼・1年生が小さめって衣装誰が考えたのです?いいセンスだと思います。最初に6人で歌っていた夢で夜空を照らしたいと似た歌詞(忘れない・止まらない)を持ってくる辺り丁寧。わざと似せていると思っているのですが、元の歌詞がそもそもこの今の景色は消えないという、最後にこの物語が出した結論とぴったりなのでどこまで狙っていたのですか?という感じ。物語上、9人では歌えない曲ですが、心象世界という形で9人でやってくれたのは本当に嬉しかった。一番収まりがいいと思います。

ラストがフェードアウトなの優しい。

2期ラストと違って幕が降りないのも優しい。Aqoursが消えない、3年生、ひいてはそれ以降もその想いはずっとずっと残っていくという結論からそうしてくれたのだと思っています。もう我々はAqoursの先を観測することは(ほとんど)できないけれど、それでも彼女たちが続いていっているって感じられる終わり方であってこの物語を最後まで観てよかったなと心から感じます。

 

 

全体を通してこの物語は誠実だな、と感じました。2期の段階でも言っていたのですが、徹底して現実的であり、ご都合主義的でないのは魅力でした。ぶっちゃけ映画って蛇足になってしまうのでは?なんやかんや浦の星が廃校にならない、なんて展開だったらどうしよう?なんて考えてもいたのですが見事に杞憂に終わって良かったです。

それどころか、ちゃんと3年生がいなくなった後にどうするのか、またそのもっと先はどうなるのかという展望まで与えた上、劇中である側面救われなかった一人も救ってすべてに対して一定の回答をしていました。これ以上望むことあります?

常々、この物語には”ちゃんと”終わってほしいと考えていたのですが、ことアニメに関しては本当にその通りになって嬉しい限りでした。

 

ここまで読んでいる人がいたらどうもありがとうございました。