消しゴム版画のすすめ
たまには感想記事以外にも…ということで1か月ほど前に作った消しゴム版画(消しゴムハンコ?)について少々。
版画形式にしたのは初めてだったのですが、なんか上手くいったので最適解ではないかもしれませんがやりたい人の参考になればいいなーくらいです。
以下制作過程。
題材の印刷および転写準備
これがないと始まりません。ポケモンカードなどでプロキシを作ったことがある人はご存知であろうExcelで行います。図の書式設定からサイズを㎝で直接指定します。自分の使うハンコ及び作りたいサイズに合わせます。
ややわかりにくくなっていますが、適当な大きさに画像のサイズを調整して、その四隅のセルに色を入れています。今回の目標が版画なので絵柄が消しゴム本体のどこにあるか、というのを合わせるための線用にセルを用いました。(つまり正確な枠線を用意した形です)写真の場合は絵の左上を基準にします。多い部分は3回転写するのでそこそこ強めに鉛筆やシャーペンでトレーシングペーパーに写します。
※カーボン紙だとだめなの?という声が聞こえてきそうですが、実際にやってみたところ私の消しゴムではうまくいかなかったのでおススメしません。ちなみに関係ないですが、木材にはよく写ります。
転写
この版画の肝、おそらくここで出来が左右されるような気がしています。次のようにトレーシングペーパーを裏返して右上を材料の隅に合わせて写りていきます。適当な多色ボールペンを使って写す場所による区別をしながらなぞるとやりやすいかと。
一番右が輪郭・黒の部分、中央が赤い部分、左が黄色の部分、となっています。先ほどExcelで色付けしたセルに従った線はここでそれぞれの間にひかれた線になります。特に3回目の転写は薄くなりがちなので適当に黒ボールペンなどで補強するのが吉。
また、トレーシングペーパーの上側の横線は材料の上側の縁に合わせるためのものです。写しはしません。
彫る
の、前に、先ほどの線で正確に切り分けます。あとで刷るときもこの線が基準になるので割と重要です。三角定規などで側面に線を引くとやりやすいでしょう。あとはひたすらに彫るだけです。基本的に、残す部分を横から見たときに台形の辺が短いところになるように刃を斜めにして彫れば問題ないでしょう。慣れてくると指を切るので注意してください。バッサリ切れるのでマジで危ないです。
刷る
なんだかんだ難しいところです。ここまでかなり正確にやったつもりでもかなりずれます。なんで??? 版画の絵が見える方を表として時にその右上(刷るときは左上)をなにかしらで作った直角なスペースでやると多少成功率が高いかもしれません。私は端材で行いましたが…。当然ですが、私みたいにけちけちせず、はがきサイズの消しゴムハンコ素材を3つ4つ買ってきて素材自体は切り分けなければ難易度は下がると思います。割といいお値段ですけれどね…。
あとシャチハタなどで色を付けると彫り残しが目立つと思うので適当に削っておくと吉。当然刷ったときに余計な色がつかなくなります。刷る順番ですが、奥にあるものから順にやるとうまくいきます。最後に輪郭線(黒)をかぶせるようなイメージですね。
うまく刷れるとこんな感じ。(何回リテイクしたんですか?)
カプ神の消しゴムはんこ改め、消しゴム版画。#消しゴムはんこ pic.twitter.com/sjuAxAZyqJ
— Metal992 (@Metaru992) October 29, 2017
使用道具紹介
主に細かいところを彫り進めるときはデザインナイフ(切り絵と違って刃を変えなくてもスラスラ切れるので消しゴムハンコは神)、雑にバンバンやるときは彫刻刀でやりました。正直これなら普通のカッターでもできそうな気はします。まあカッターマットはお忘れなく。
色付けはオーソドックスなシャチハタと、写真のようなスタンプ台。東急ハンズとか行けば売ってます。
ポケモンとかの色の少なさならいいのですが、いかんせんスタンプ台が揃えるとかなりコストがかかるのと、色を一つ増やすと素材もそれだけ必要になるので沢山色があると厳しいのかなーと思いました。そのあたりはやはり切り絵に軍配が上がりますね。紙ですし。逆説的にポケモンのデザインの秀逸さが際立っている、とも言えますが。